北欧福祉視察ツアー(平成20年11月12日 11月19日迄)

11月13日午前 高齢者介護施設視察
場所:ヴィッラ・タピオラ

ヘルシンキ市に隣接するエスポー市に2005年に建設された中規模の認知症専門高齢者介護施設。

認知症に必要な環境・サポート・特別なケアを提供しています。


回廊式になっており24時間いつでも自由に散策が出来、食事も食べたいときに食べられます。

子供の頃の思い出として、リンゴの木・梨の木等が植えて有り、
みんなで外に出て過ごす時もあります。

施設にはベッドのみ据え置きとなっており、ベッド以外は患者さんが使い慣れた家具を置いておくことができます。又出入り口のところに細長いガラスのはめ込みがあり、ご利用者様の手形を染めたカーテンが下げられ、ドアを開けなくともガラス越しに安否確認ができます。

視察後意見交換しました。

オーナーは元看護師長、スタッフは看護師7人、准看護師15人(専門職として半年間介護の勉強をした人達)、その他交代要員として年間5人くらいのスタッフがおり、理学療法士1名、厨房は調理師。出勤時間はご利用者様に合わせて早出・定時・日中・遅出といろんなパターンがある。

職員のミーティングは週1回であるが、特別のことが在れば、その都度行っている。薬は看護師が管理している。

理念:年配者達の人格を尊重し、その自由な考え方を尊重し、行動を拘束せず、自由に生活することを基本としている。
また施設を見学して働いているスタッフ一人一人がさわやかな表情だったことが印象的でした。

11月13日午後
場所:公立クルタカンピ カンピサービスセンター

ホールの一部。

一日の利用者は1800人いらっしゃいます。
ヘルシンキ在住者でカードのある人、高齢者が一人暮らしのためコミュニケーションや軽いリハビリが必要な状態の人を収容し、ヘルシンキ市が運営しています。

この後三時半頃から、現地に帰化された日本の方のご案内で、近くの要塞の島にみんなで赴きました。フィンランドではかつてソ連軍に侵攻された国だったために、自分の領土は自分で守る、という伝統が息づいていますが、その名残を垣間見ることができました。一時間ほど島の中を散策しました。

北欧は夜が早い。夕暮れに向けて、フィンランド本土から島を眺める。

大砲のある丘に向かう石畳。

趣のある歴史的な家屋。

大砲が設置されている丘を望む。

11月14日午前
場所:バリアフリー施設・視聴覚障害者専用アクティビティセンター イーリス

ご利用者様の作品が陳列され、商品としても売られている。

この施設は、福岡の地下鉄を施工された定村俊満様と、女性建築家の齋藤なお様が関わったということで、親日感をもたれていました。
盲導犬の足洗い場も設置されていました。又誘導歩道を特殊な素材でテストしているところだそうです。
インターネットで本を発注したりもできます。内部には国立図書館があり、ネットで注文を受けて郵送しています。音声はCD式で国際的に同規格のものを使用しています。
イーリスにつきましては、こちらから資料をご閲覧いただけます。
イーリス-PDF ファイル
セリア1 -PDF ファイル
セリア2 -PDF ファイル
※参考資料(翻訳文書) イーリス・セリア1・2
視覚障害者のためのアクティビティセンター、イーリスのパンフレットより

11月14日午後
場所:パイヴァクンプ

25年前の平屋建ての会社を改築して、グループホームを作っています。

ファインランドの会社が作っているフンドという腕輪を着けており、思い思いに椅子にかけたり、歩いたりすることができます。なお、それを着けているとどこにいるのかが分かり、身体の悪い人の状態も教えてくれます。又外にでるとアラームがなり、動きが分かります。

食事をしたり多角的に利用しています。

オーナーを囲んで意見交換。

理念が表されている額を手にするオーナー。

人格を尊重したすばらしい理念に基づいて施設が運営され、その理念に同意された方が働いております。オーナーは元看護師長の経験者であり、又半年間介護の専門分野を勉強した准看護師が看護師の指示を受けスタッフとして働いています。こちらでも一人一人のスタッフの表情がさわかやでした。

高度な知識や技術がないと対応できず、すぐ辞めてしまうので一番教育が大切であるということを言っておられました。

なお、夜の七時から交響楽団の鑑賞にいきました。フィンランドはそもそも岩盤で出来上がっており、こちらのホールも岩盤を刳り抜いて建設されており、自然的な条件からしても音響効果がよいとのことです。

早稲田大学に留学したことのある通訳の方のご案内で、コンサート鑑賞を楽しむことができました。

11月16日
市内見学バスツアーにて、バスよりグランドホテルを見る。

王宮に赴き、近衛兵の交代式を観ることができました。

11月17日
場所:ストックホルム

スウェーデン福祉システムに関する講義です。

ティータイムを利用して、意見交換をしました。
講師はパラリンピックの金・銅メダリスト、早大に留学したとのことで流暢な日本語で講義をしてくださり、時々日本人の通訳が補足して下さった。
講義につきましては、こちらから資料をご閲覧いただけます。
ストックホルム講義-PDF ファイル
※参考資料(翻訳資料) ストックホルム講義

午後の施設見学の交通手段に地下鉄の利用を勧められて、日本から帰化した通訳の方の説明を受けながらホームを歩く。

停車中の電車をホームより撮影。天井には絵が描かれている。

岩盤を刳り抜いた地下鉄。両側も天井もみな岩。

いたるところに造形美術品が置かれている。

地下鉄を降りて、市庁舎の塔を望む。この市庁舎はノーベル賞の授賞式が行われることで有名です。


午後の施設見学
場所:ナーシーンググループホーム

スウェーデン生まれのタクティールケアを体験しました。
乳液を使って手先のタクティールケアを体験しました。

車椅子を乗せて移動が出来ます。

これらの施設の活動の主な分野は以下の三つです。

1.緩和ケア
2.リハビリテーション(胃の外科手術を受けた患者さんを集中的にリハビリしています)。
3.認知症ケア

最後の晩餐にグランドホテルで帰化された通訳の方と食事をしました。
こちらも、ノーベル賞受賞者たちの晩餐会が執り行われる場所だとのことでした。

全体を通じて感じたこと。それは多少税金が高くても、その税金の使途が非常に明確であり、教育は充実しており大学卒業までは無料だそうです。また高校卒業後、もしくは大学卒業後社会人になっても、再度学びたいときにはまた大学に行くことができます。また福祉に関しても安心してその社会の仕組みに身をゆだねることができると感じました。